Topic N1
Japanese Learning
16. Ecology - Deep Ecology and the Intrinsic Value of Nature
N1 Reading lesson 16
📄Passage
ノルウェーの哲学者アルネ・ネスが提唱した「ディープ・エコロジー(深層生態学)」は、自然を単なる人間のための資源と見なす人間中心主義的な世界観を根底から覆す思想である。従来の環境保護運動が、人間の健康や経済的利益を守るために自然環境を管理しようとする「浅い」エコロジーであったのに反して、ネスは、すべての生命体はそれ自体で内在的価値を有すると主張した。つまり、特定の生物が人間にとって有用であるから保護するのではなく、生態系を構成する一員として平等な生存権を持つと唱えたのである。
我々は産業革命以降、科学技術の発展に伴って、自然を機械的な部品の集合体として切り刻む道を歩んできた。しかしディープ・エコロジーの視座に立てば、人間もまた広大な生命ネットワークの一本の糸にすぎない。もし我々がこの不可分の関係性を忘却し、傲慢な搾取を続けるとすれば、それは単に他種の絶滅を招くにとどまらず、結果的に人類自身の破滅を引き起こさずにはいられないだろう。真のエコロジー的覚醒とは、自己の境界を拡張し、自然全体を「大いなる自己」として感得することに他ならない。
❓Questions
ディープ・エコロジーと「浅い」エコロジーの最大の違いは何ですか。
文章中の「一本の糸にすぎない」という表現が意味することは何ですか。
筆者が「人類自身の破滅」を警告している理由として最も適切なものはどれですか。
下線部「『大いなる自己』として自然を感得する」とは、どういう状態を指していますか。
文章全体の論旨と一致するものはどれですか。
📚Key Vocabulary
提唱
ていしょう
proposal/advocacy
覆す
くつがえす
to overturn/to capsize
内在的価値
ないざいてきかち
intrinsic value
有する
ゆうする
to possess/to hold
構成
こうせい
composition
不可分
ふかぶん
inseparability
視座
しざ
perspective/standpoint
我々
われわれ
we/ourselves
忘却
ぼうきゃく
oblivion/forgetting
傲慢
ごうまん
arrogance
搾取
さくしゅ
exploitation
感得
かんとく
perception/realization
✏️Grammar Points
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