Topic N2
Japanese Learning
15. Society - Food Waste and the "Mottainai" Spirit
Reading lesson 15
📄Passage
今日、世界中で深刻な食糧危機が叫ばれている一方で、先進国を中心に大量の食料が廃棄される「食品ロス」が国際的な社会問題となっている。日本においても、まだ十分に食べられるにもかかわらず、年間数百万トンもの食料がゴミとして処分されているのが現状だ。この背景には、消費者の過剰な鮮度志向や、流通段階での厳格すぎる規格基準など、現代社会の構造的な欠陥が潜んでいると言わざるを得ない。
このような状況下で再評価されつつあるのが、日本古来の「もったいない」という精神である。この言葉は、単に「物を無駄にしてはならない」という節約の概念にとどまらない。自然の恵みや生産者の労力など、その背後にある目に見えない価値を尊び、万物の命に対して畏敬の念を抱くという、極めて奥深い哲学にほかならないのだ。
大量生産・大量消費を当然のごとく享受してきた私たちは、知らず知らずのうちに「豊かさ」と引き換えに、この精神性を喪失してしまったのではないだろうか。規格外の野菜を積極的に購入する、外食時には食べ切れる量だけを注文するなど、日常的な些細な行動の変容から始めるしかない。不条理な大量廃棄の連鎖を断ち切るためには、私たち一人一人が「もったいない」の理念を現代のライフスタイルに即して再構築し、実践していくことが急務である。
❓Questions
筆者は「食品ロス」の背景にどのような問題があると指摘しているか。
本文中の「もったいない」という精神について、最も適切な説明はどれか。
「『豊かさ』と引き換えに、この精神性を喪失してしまった」とあるが、どういう意味か。
筆者が、大量廃棄の連鎖を断ち切るために最も重要だと考えていることは何か。
📚Key Vocabulary
深刻
しんこく
serious/severe
食糧危機
しょくりょうきき
food crisis
廃棄
はいき
disposal/abandonment
処分
しょぶん
disposal/dealing with
過剰
かじょう
excess/overabundance
鮮度志向
せんどしこう
preference for freshness
厳格
げんかく
strict/rigid
規格基準
きかくきじゅん
standard specifications
欠陥
けっかん
defect/flaw
概念
がいねん
concept/notion
尊ぶ
とうとぶ
to value/respect
畏敬
いけい
awe/reverence
喪失
そうしつ
loss/forfeiture
些細
ささい
trivial/slight
急務
きゅうむ
urgent task/imperative
✏️Grammar Points
~一方で
On the other hand / While
~にもかかわらず
Despite / In spite of
~ざるを得ない
Cannot help but / Have no choice but to
~つつある
To be in the process of / Gradually...
~にとどまらない
Not limited to / Continues beyond
~にほかならない
Nothing but / None other than
~ごとく
As if / Like
~に即して
In line with / According to